『竹取物語』の絵巻や奈良絵本について
(ウェブサイト,書籍,研究論文等)

(2007.10.01作成)
絵巻以外も一部挙げています。
未掲のものが少なくありません。
メトロポリタン美術館本
早稲田大學図書館本
東北大学附属図書館狩野文庫蔵奈良絵本『竹取物語』,3冊
京都大学国史研究室本等
著者・編者の敬称は,すべて略させていただきました。
リンクは,とりあえず,リンクフリーのサイトのみに張らせていただきました。
中学校の教科書は,学校図書以外,平成18年度版からB5サイズに大きくなっています。
口絵はすべてカラーで,挿絵についても,絵巻の写真は最初からすべてカラーです。
基本的に拙稿(後掲★)で引用させていただいたサイトや御論考ですが,補足・修正していく予定です。
間違い等について,ご教示いただけたら幸いです(nakajima☆sap.hokkyodai.ac.jp,☆は@)。


  • 吉田幸一氏蔵『竹取物語絵巻』3巻,土佐派か,中世末か近世初期,縦32.2p ※成立等は徳田説による
    ※吉田氏の『日本の古典3』の解説には,「絵の土佐派風といい,書のお家流といい,東大本とほぼ同じころのもの」とある。

    1. 『図説日本の古典5 竹取物語・伊勢物語』片桐洋一他,集英社,昭53
    2. 『日本の古典3 グラフィック版竹取物語 伊勢物語』世界文化社,昭57 ※全図掲載

    3. 光村図書,中学1年,昭和62年度版及び平成2・5・9年度版,口絵1頁分,2図(共にくらもちの皇子)
    4. 光村図書,中学1年,平成14年度版,挿絵,4図(求婚,昇天,くらもち皇子の訪問,いそのかみのまろたり)
      ※単元はじめの挿絵も色々。平成18年度版はツヤもあり一層綺麗・鮮明に。舞楽の六曲金屏風も追加。
    5. 東京書籍,中学1年,平成5・9年度版,口絵折込3頁分,1図(天人到来)
    6. 東京書籍,中学1年,平成14年度版,裏見返し2頁分,1図(天人到来)
    7. 教育出版,中学1年,平成9年度版,口絵1頁分,3図(家に連れ帰る,天人到来,昇天)
    8. 教育出版,中学1年,平成14・18年度版,挿絵1頁分,1図(家に連れ帰る)
    9. 三省堂,中学1年,平成14年度版,挿絵 ※大正時代の吉川霊華(きっかわれいか)の日本画も
    10. 三省堂,中学1年,平成18年度版,挿絵 ※見開き2頁分上段の求婚は省かれたが,昇天図はより見やすくなった。
    11. 三省堂,中学1年,平成18年度版,挿絵,4図(家に連れ帰る,天人到来,昇天,不死の薬を帝が焼くように命じる)



  • 宮本長則氏蔵『奈良絵本竹取物語』3冊,室町時代末から江戸初期 ※徳田説では吉田本の後,東大本の前。

    1. 『竹取物語絵巻の系譜的研究―橘守部作竹取物語絵巻への展開―』徳田進,桜楓社,昭53



  • 細川家旧蔵・九州大学国文学研究室蔵『絵入巻子本竹取物語』3巻,正保以前

    1. 『竹取物語絵巻の系譜的研究―橘守部作竹取物語絵巻への展開―』徳田進,桜楓社,昭53
    1. 「九州大学所蔵原本代替資料(マイクロフィルム) 和-140」(私製,47コマ,九州大学附属図書館)



  • 正保版通行本『竹取物語』,初版は正保3(1646)年(絵入版本) ※括弧内は国文学研究資料館の紙焼写真の整理番号

    1. 初版,「正保三丙戌三条通菱屋町林甚右衛門尉」
    2. 四版,「茨城多左衛門板」
       吉田幸一氏蔵本,飯田市立中央図書館堀家本(E7239),新潟大学附属図書館佐野文庫本(E9971,特に綺麗)
    3. 五版,茨城の刊記はそのままで「大坂心斎橋通北久太郎町河内屋前兵衛板」
    4. 六版,同じく「京都寺町通四条北江入町文求堂田中佐兵衛板」
    5. 同じく「大坂書肆大阪府平民尚書堂辻本信太郎」と「京都書肆京都府平民尚書堂辻本定次郎」
       北海道教育大学附属図書館本『絵入竹とり物語』
    6. 同じく「辻本尚書堂本店〈大阪〉」と「辻本尚書堂元店〈西京〉」と「辻本尚書堂支店〈東京〉」
       長野県短期大学付属図書館本(E10454),学習院大学日本語日本文学研究室本(E7654)
    7. 無刊記
       岐阜市立図書館本(E7253)



  • 東京大学文学部国文学研究室所蔵,『竹取物語絵巻』3巻,住吉如慶(=土佐広通)・具慶(=広澄),慶安2(1649)年 
     ※異時同図法あり
     ※曼珠院宮(=良尚親王)の詞書が加えられた完成年は慶安庚寅3(1650)年晩冬。
      父子が描くように命じられたのは同2己丑(1649)年2月。

    1. 東京大学附属図書館の案内(http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/koho/guide/riyo07/1-1-1_3.pdf)

    2. 東京書籍『国語総合資料集』
    3. 東京書籍,中学1年,平成18年度版
      挿絵5図(家に連れ帰る+籠に入れて養う,求婚,海上で嵐に遭う,別れの時を思い皆が泣く,昇天)



  • 龍谷大学図書館蔵『竹取物語(奈良絵本)』3冊,寛文・延宝頃(1661〜1681),縦24p

    1. 「龍谷大学電子図書館貴重書画像データベース」
      http://www.afc.ryukoku.ac.jp/kicho/top.html ※全て掲載
    2. 『龍谷大学善本叢書22 奈良絵本』龍谷大学佛教文化研究所編・糸井通浩氏責任編集,思文閣出版,平14



  • 国立国会図書館蔵『竹取物語絵巻』3巻

    1. 『本物の絵巻を現代語でよむ 竹取物語絵巻』樺島忠夫編,勉誠出版,平15
    2. 国立国会図書館の「電子図書館」の「貴重書画像データベース」 ※全て掲載,『竹取物語』で
      http://www.ndl.go.jp/(トップページのURL)

    3. 光村図書,中学1年,平成18年度版,挿絵
      5図(大切に育てられる,くらもちの皇子の訪問,月を見て嘆き悲しむ,昇天,手紙と不死の薬が帝に贈られる)



  • 中野幸一氏蔵『たけとり物語(奈良絵本)』3冊,延宝頃(1673〜1681),土佐派,縦22.4p

    1. 『奈良絵本絵巻集1 竹取物語』中野幸一編,早稲田大学出版部,昭62



  • 高島藩主諏訪家伝来・長野県諏訪市博物館蔵『竹取物語絵巻』3巻,江戸前期,縦33p

    1. 諏訪市博物館(http://www.city.suwa.nagano.jp/scm/)「館蔵資料紹介」,「全画像データ」
    2. 『竹取物語絵巻』諏訪市博物館編,平15

    3. 学校図書,中学1年,平成14年度版,口絵,昇天図ほか



  • 九曜文庫蔵『竹取物語絵巻』3巻,土佐派,寛文・延宝頃(1661〜1681),縦32.5p

    1. 『九曜文庫蔵 奈良絵本・絵巻集成【第一期大型絵巻】1 竹取物語絵巻』中野幸一・横溝博編,勉誠出版,平19



  • 武田祐吉氏旧蔵・國學院大學附属図書館蔵『竹取物語絵巻』3巻(16),江戸前期,縦33.0p

    1. 國學院大學図書館「デジタルライブラリー(貴重書・コレクション)」の「2.奈良絵本・絵巻物関係」
      http://www.kokugakuin.ac.jp/info/lib/digital-lib/ ※全て掲載
    2. 國學院大學図書館「絵で見る日本の古典 『竹取物語』紹介」針本正行氏解説
      http://www.kokugakuin.ac.jp/info/lib/digital-lib/exhibit-mnb18-koten1.php
      ※「六」の解説中「国会本は(中略)左に地上に取り残された帝を配しています。」とあるのは勅使中将の誤りか。
    3. 國學院大學文学部日本文学科「学会紹介」のうち「貴重図書紹介」の『竹取物語絵巻』
      http://www2.kokugakuin.ac.jp/letters/nichibun/kichoutosyo.htm
    4. 『平成十九年度中古文学会春季大会 図書展示目録』同編集委員会,平19.5

    5. 学校図書,中学1年,平成18年度版,単元の表紙見開き2頁分 ※天人到来と直前の場面の部分の組み合わせ



  • ハイド氏旧蔵・國學院大學附属図書館蔵『竹取物語絵巻』3巻,江戸前期,縦33.2p

    1. 『平成十九年度中古文学会春季大会 図書展示目録』同編集委員会,平19.5
    2. 『國學院大學 絵はがき 第9集 所蔵資料集(7)』 ※昇天図のカラー写真



  • 國學院大學附属図書館蔵『竹取物語絵巻』3巻,江戸前期,縦17.2p(小型本

    1. 『平成十九年度中古文学会春季大会 図書展示目録』同編集委員会,平19.5 ※絵の白黒写真は昇天図のみ
    2. 『國學院大學 絵はがき 第9集 所蔵資料集(7)』 ※昇天図のカラー写真
    3. 國學院大學と國學院短期大学(北海道滝川市)の名前入りの本の栞 ※同上



  • 小学館蔵『竹取物語』折本画帖1帖,狩野派か,江戸中期ないし中期以後,縦33p,本文は別に3巻 ※成立等は徳田説

    1. 『竹取物語絵巻の系譜的研究―橘守部作竹取物語絵巻への展開―』徳田進,桜楓社,昭53



  • 宮内庁書陵部蔵『竹取翁併かぐや姫絵巻物』2巻,江戸中期ないし中期以後,土佐派,縦28.5p,詞書無し
    ※成立は徳田説。吉田氏の『日本の古典3』の解説では,絵の筆法から,江戸時代中期狩野派の作と推定。

    1. 『図説日本の古典5 竹取物語・伊勢物語』片桐洋一他,集英社,昭53
    2. 『日本の古典3 グラフィック版竹取物語 伊勢物語』世界文化社,昭57
    3. 『本物の絵巻を現代語でよむ 竹取物語絵巻』樺島忠夫編,勉誠出版,平15,杉本まゆ子氏解説



  • 『たけとり物語』,天明元年(1781)6月付けの来歴を伝える識語あり
    ※中野氏解題によると版本の挿画を基に描いたもの。

    1. 『奈良絵本絵巻集1 竹取物語』中野幸一編,早稲田大学出版部,昭62



  • 住吉弘貫(ひろつら)(=内記・弘定,1793〜1863),「竹取物語図」,ウィーン国立工芸美術館蔵 ※縦長の昇天図

    1. 『週刊朝日百科 世界の文学26 日本T 竹取物語・伊勢物語』河添房江編,朝日新聞社,平12.1



  • 前田青邨(1885〜1977),「竹取物語」3巻,大正3(1914)年,縦35.9p,鹿島出版会蔵

    1. 『日本近代絵画全集 第24 前田青邨・川端龍子』講談社、昭39
    2. 『アサヒグラフ 別冊美術特集 前田青邨』朝日新聞社,昭53
    3. 『図説日本の古典5 竹取物語・伊勢物語』片桐洋一他,集英社,昭53 ※昇天図も掲載
    4. 『日本の古典3 グラフィック版竹取物語 伊勢物語』世界文化社,昭57 ※昇天図も掲載

  • 小林古径(1883〜1957),「竹取物語」,大正6(1917)年,縦45p,京都国立近代美術館蔵 ※「昇天」は第5段

    1. 『日本近代絵画全集 第23 安田靫彦・小林古径』講談社,昭38
    2. 『アサヒグラフ 別冊美術特集 小林古径』朝日新聞社,昭58
    3. 『現代日本絵巻全集 8 小林古径・安田靫彦』小学館,昭58

    4. 光村図書,中学1年,昭和59年度版,口絵見開き2頁分,「昇天」
    5. 光村図書,中学1年,平成14年度版,口絵見開き2頁分,3図「竹林之翁」「難破」「昇天」 
    6. 東京書籍,中学1年,平成18年度版,単元の表紙,「昇天」




  • 研究書・論文

    1. 徳田進
      『竹取物語絵巻の系譜的研究―橘守部作竹取物語絵巻への展開―』桜楓社,昭53

    2. 田口榮一
      「近代に蘇った竹取物語絵巻―青邨・古径の作品をみる」
      『国文学』38-4,平5.4,學燈社
    3. 久保木寿子
      「絵本・絵巻と物語表現―『かぐやひめ』の背景―」
      『白梅学園短期大学紀要』40,平16.3
    4. 中島和歌子
      「中学校国語教科書『竹取物語』の挿絵をめぐる問題点と可能性―『竹取物語絵巻』昇天図の解釈と分類―」★
      『札幌国語研究』12,平19.3,北海道教育大学国語国文学会・札幌
      ※中学3年の教材『おくのほそ道』についての拙稿の注であったが,長くなり作品も異なるので別稿とした。




  • 昇天図の分類

    飛ぶ車その回りの天人達持ち物など車上や雲上の
    かぐや姫
    絵巻などの略称
    無し



    書陵部本
    到来板輿童子2人柄の長い団扇を持たず
    中野幸一氏蔵本▼
    葱花輦童子3人先頭が団扇を持つ
    諏訪市博物館本
    童子9人後尾が団扇を持つ
    九曜文庫本
    童子10人
    武田氏旧蔵國學院大學本
    四方輿童子9人
    ハイド氏旧蔵國學院大學本
    葱花輦天女7人団扇を持たず
    小学館本
    昇天描かれず天女6人無し唐風装束?吉田幸一氏蔵本(翁・嫗)▼
    天女3人同上(富士山・宮中)
    天女25人楽器,蓮華和風装束前田青邨
    天女25人楽器無し,蓮華小林古径▼▲
    六角車天女4人後尾が団扇を持つ唐風装束九州大学本
    絵入り版本
    天女5人
    別に縁に1人
    後尾羅蓋,管楽器,蓮華
    縁の1人は手紙と薬壺
    東京大学本◆
    円形車天女・童子・天人多数
    別に手前雲上に1人
    羅蓋や箱等々
    別の1人は手紙と薬壺
    住吉弘貫◆
    葱花輦童子9人先頭と後尾が団扇を持つ宮本長則氏蔵奈良絵本
    天女6人団扇無し和風装束龍谷大学蔵本◆
    葱花車天女6人先頭団扇,管楽器,蓮華
    後尾の1人が手紙と薬壺
    国会図書館本◆
    網代車天女も童子も無し
    國學院大學小型本▼▲
    ★角髪(みずら)を結った少年を「童子」,領巾(ひれ)・天衣(てんね)をまとった成人女性を「天女」とした。
    ★童子は輦・輿(こし)を担ぐが,天女は車輪が付いた「車」の周りにいる。
    ★◆は中将も描く。▼は左上方からの送迎。他は右上方。▲はかぐや姫が振り返らない。
    ★吉田氏蔵本の二つの昇天図は,唐風装束の天女のみを描いたもので,かぐや姫ではないのではないか。
    ★六角形や円形の天蓋付きの車は唐風。

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