北海道教育大学札幌校 日本語学研究室


国語教育における接続詞指導・習得に関する研究文献とその概要

掲載誌:『札幌国語研究』10(北海道教育大学国語国文学会・札幌)1-25頁・2005年7月
追補掲載:山室和也研究代表者『国語科における機能的アプローチによる文法教育の再構築に関する実証的研究』(課題番号16530611)(平成16年度〜平成18年度科研費補助金基盤研究(C)(1)研究成果報告書)52-68頁・2007年3月

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国語教育における接続詞指導・習得に関する研究文献とその概要

馬場 俊臣



目的及び凡例
 本稿では、国語教育(言語発達研究を含む)における接続詞及び文の連接類型に関わる学習指導及びその習得を対象とした研究文献とその概要を示す。
 接続詞は、文章・談話の論理展開を支える重要な表現であり、論理的思考力の育成にも深く関わっている。本稿は、従来の研究内容を俯瞰し、その成果を生かして教育現場での学習指導や調査研究が行えるよう情報提供を行うことを目的としている。
 採録範囲は、1945年以降発表された上述の内容を含んだ文献であり、2005年1月現在で筆者の知り得た範囲で採録した。ただし、原則として、教師向け指導参考書や概説書の類及び事典・辞典類の項目は対象から除いた。
 文献選定にあたり、主に、国語学会(日本語学会)・国立国語研究所「国語学研究文献総索引データ」、国文学研究資料館「国文学論文目録データベース」、国立国会図書館「蔵書検索・申込システム(NDL-OPAC)雑誌記事索引検索」を利用した。
 文献の配列は、発表年順であり同一発表年の場合は著者名の五十音順とする。
 記載の順序は、次の通りである。
 著者名 発表年 論文名又は書名 (論文の場合)掲載図書名又は掲載雑誌名及び巻号 発行元 (論文の場合)掲載頁 /内容分類/校種・学年 (改行後)概要
 「発行元」は、大学名等が掲載雑誌名に含まれている場合は省略した。
 「内容分類」は、次のことを目安にし、含まれる内容を示した。
  ・実態 接続詞の使用又は理解に関する何らかの実態を明らかにしようとする内容を含んでいる
  ・作文 作文(スピーチ等口頭表現を含む)を対象とした調査を含んでいる
  ・教科書 教科書教材文を対象とした調査を含んでいる
  ・調査 作文及び教科書教材文を対象とした調査以外の何らかの調査を含んでいる
  ・発達 習得順序など何らかの発達過程を示した内容を含んでいる
  ・実践例教材例 授業実践の報告、教材例の提示、指導内容・過程及び教材化に関する提案などを含んでいる
  ・文章作法 一般的な文章作法、文章の書き方に類するもの
 「校種・学年」は、記載がある場合示した。「記載なし」は明示されていない場合である。「一般」は小中高以外を対象とした文章作法等に付した。
 「概要」は、特に接続詞に関する記述内容をまとめたものである。接続詞以外の記述内容は省いている。


田中準1956「日本語の接続法の特色―語の二重機能について―」『言語生活』52(筑摩書房)66-72頁/実態・発達・作文/小
 小学生の作文を観察すると、「個別的な部分を順序立てないでばらばらに羅列」「現象の順序立てはするが、それを関係付けないで、孤立した短文を列挙」「「そして」「たら」等で文を並列的に接続し、長文をつづける」という順序での発達が見られ、この順序はピアジェが示した児童の精神の発達段階に対応している。

秋池敏明1957「読解指導における接続詞・代名詞(指示語)の重要性について」『実践国語』200(実践国語研究所/穂波出版社)30-34頁/実態・調査・実践例教材例/中3
 「文法的知識が如何に利用されているか」を明らかにするために総合的テストによる調査を行っている。その一部で、接続詞の機能を理解して利用しているかを段落分け問題を使って調査している。さらに接続詞を手がかりとして利用する読解の実践的指導例を示している。(秋池1960と同内容)

大田トミ子1957「学童の接続表現について―作文「運動会」の考察―」『国文学攷』18(広島大学)69-75頁/実態・発達・作文/小1〜6
 小1〜6年に同一題目で書かせた作文(計222名分)に使われた接続詞の調査を行い、発達傾向をまとめた研究。接続詞の種類、語数、使用頻度(百文あたり)などを分析している。「学童期には、一七の接続詞を使用している」「限られた語いを、つぎつぎと使用する傾向の最も強いのは、第一学年である」「(高学年では)接続詞を選択して、適当なところに用いるようになる」「添加的な接続詞(中略)は低学年から高学年にかけて減少」などの結果が示されている。

望月誼三1957「つづりかたと文法 子どもたちの文のつづけかたと気持の表わしかた」『言語生活』66(筑摩書房)15-24頁/実態・発達・作文/小1〜中3
 小1〜中3各学年に自由題で書かせた作文を各学年300人分抽出し、接続表現(接続詞、接続助詞等)に関して調査を行ったもの。この論文では、小2・4・6、中3各300人分の調査結果を対象としている。順序・並列・順態・逆態の4種に接続表現を分類しそれぞれの使用頻度を学年別に示し、「順序の接続は、二年生がいちばん多く使い、順態の接続は、四年生が最高であり、並列は意外に少く(ママ)、逆態の接続とともに、中学へいってからようやく使えるようになる」などの指摘がある。また、学年別の誤用例と傾向も示している。

遠藤嘉基1958「接続詞が使えない」『言語生活』87(筑摩書房)24-25頁/実態・発達・調査/記述なし
 「言語時評」欄の短評。「文型調査」の結果、接続詞を使えない子どもが多かったことを述べている。

林四郎1958「児童文章の言語分析」『教育研究』13-5(東京教育大学附属小学校初等教育研究会)33-39頁/実態・発達・作文/小2〜6
 小2〜6(計222名)に説明文を書かせ、その文章を分析した結果をまとめた研究。接続詞(場面辞と呼んでいる)、接続助詞等の使用語彙と度数が示されている。「総語数の増加につれて、場面辞がふえ」る、「場面辞が使われて場面構成が豊かになることは、言語能力の発達と無関係ではない」、(各種の辞の中で)「もっとも基本的でないのは、場面を構成する辞である」などの指摘がなされている。(林1975に再録)

芦沢節1959「作文能力の発達過程―ひとりの児童の文章構造力を中心として―」『国立国語研究所論集1 ことばの研究』1・397-410頁/実態・発達・作文/小1〜4
 同じ一人の児童の小1〜4年の作文を分析し「作文能力の発達過程を、文章の構造の上からとらえ」ようとした論文。連接関係、使用された接続詞などを具体的に分析し、「中学年の段階までに、文章構造のごく基礎的なものを習得できるようになった」と述べている。

生熊文雄1959「文脈の指導における接続詞―四年生の国語指導記録から―」『教育研究』14-11(東京教育大学附属小学校初等教育研究会)66-68頁/実践例教材例/小4
 「文章の読解指導において、接続詞(あるいは接続の語句)を指導することは(中略)文脈を指導することである」という基本的な前提に立ったうえで、「七つの星」「きくのせい」の教材での指導例を示している。「ことばそのものの扱いはあと回しにして、まず文脈そのものを、段落相互の関係や、文と文との接続において考えさせることが大切である」と指摘している。接続詞を取り上げ「どうしてこれらのことばが使われているのか」等の発問が示されている。

大石初太郎1959「子どものことばの文法的乱れ」『児童心理』13-12(児童研究会・金子書房)40-45頁/実態・発達・作文/小1〜6
 小1〜6年(各学年40〜50編)の作文を材料として誤用を分析したもの。接続詞に関しては「基本的な接続詞の数は少なく、その体系は単純なものであるから、獲得も比較的容易で、高学年にはその乱れがほとんど見られなくなる」と述べている。

倉澤栄吉1959『文法指導』(朝倉書店)/実態・教科書/小1〜6
 「第V節小学校の文法指導の体系 (4)〈つなぎことば〉」に、小1〜6の教科書「小学校国語」を調査対象として、接続詞の使用語彙と使用度数が示されている(「主として目黒区立六中武田教諭の調査による」と注記がある)。指導に関しては(小学校段階では)「読解や作文には接続詞や接続助詞を取り立てて扱わない方がよい」「接続詞・接続助詞の役割を品詞として取り立てて指導してみても、解釈には役立たない」「文法指導の中心は文・文章である。品詞論は不要といいながら、接続詞だけを不当に評価し、別扱いをしているのはどうしてであろうか。とくに小学校においてはむりであり、むだではないか。」と述べている。

土田茂範1959「低学年における接続語の指導」『ことばの教育』109(日本ローマ字教育会)11-12頁/実践例教材例/小1・2
 童話の読み聞かせの途中で接続詞「それで」の後の話の筋を考えさせる、文章中の「しかし」の前と後との関係を考えさせる、1文目を与え2文目は接続詞のみ与え短文を作らせる、などの接続語指導の実際を示している。

秋池敏明1960「読解指導における接続詞・代名詞(指示語)の重要性について」『実践国語教育』233(実践国語教育研究所/穂波出版社)194-198頁/実態・調査・実践例教材例/中3
 (秋池1957と同内容)

井上敏夫1960「良文発見(一)―接続詞を節約してみよう―」『国語教室』103(大修館書店)10-12頁/実態・発達・実践例教材例/小・中
 「接続詞ではじまるセンテンスは、そこに観念の中だるみがあり、読んでいてイメジの転換が間のびし、なんとなく、だらけた、たるんだ感じになる」と述べ、接続詞を省くことにより、「冗漫でない、ひきしまった」「良文」となるとしている。「小学校低学年の児童には「そうして」「それで」が実に多い。だんだん高学年になると、それが少なくなる。」「作文指導のある段階では、故意に接続詞を省いて文章を書く練習(中略)をする必要がある。」と述べている。

古田拡1960「助詞・助動詞および接続詞」『教育科学国語教育』2-1(明治図書)1-8頁/実践例教材例/小・中
 接続詞の使われ方と機能は文章ジャンルにより異なることを示し、ジャンルに即した指導の必要性を示している。「物語」は時間的展開が多く、「説明」は論理的展開も使われ、「思索」は逆態の表現も使われる。「対話」には連想(それで思い出した)、相談(そこでどうだ)などの表現が使われる。「各ジャンル別に帰納してきて、児童生徒自身のものとさせる研究が必要」「伝記教材(中略)全部をこの「接続詞」をよりどころとして通覧させる」「伝記には、多くの困難と戦ったひとが出る。だから、「だが」「しかし」「けれども」が特徴となっている。それを見つけさせて、その前後にかかっている部分をはっきりさせると、心情を養うと共に、思考力の練磨ともなるのである。説明文でも同じこと。」などの指摘がある。

堀川勝太郎1960『文章の論理と読解指導―文脈展開の法則性―』(明治書院)/実践例教材例/小・中
 「二 文連接の論理と読解指導の要点」で「文と文の意味上の連接関係」「文連接における形態的特色」(「接続詞による文脈の展開と接続詞によらない文脈の展開」を含む)「文連接の読解における児童生徒のつまずき」「文連接における読解指導上の要点」が述べられている。また「三 文章の論理と読解指導」「四 文・文章に関する学年別の指導内容と指導の方法」で文連接等が扱われている。

生熊文雄・佐藤良吉・根本今朝男・北川貞雄・萩原昭・田中光穂/鈴本敬司(文責)/文法教育研究グループ1961「読解と表現の橋渡し―「接続語」の指導を中心に―」『教育科学国語教育』3-10(明治図書)72-79頁/実践例教材例/小5
 「最後の授業」を用いた「接続語」の指導の実践記録(生熊が行ったもの)と、筆者全員による検討会での指摘がまとめられている。指導の概要は、各場面の要約を書かせ、その「要約文を、ひと続きの文章に再構成」させ、その際に「「接続語」のはたらきをよく考えて、じょうずに書く」ように指示を与え「接続語」を用いて表現活動を行わせるというものである。

市川孝1963「児童の文体」『児童心理』17-6(児童研究会/金子書房)55-61頁/実態・発達・作文/小2・4・6
 小2・4・6年各30編計90編の作文(「毎日小学生新聞」掲載)を調査対象とし、文の連接関係の頻度調査を行い分析を加えている。「発達段階から見て顕著な点は、学年の発達とともに、添加型(と順接型)は比率が減少し、逆に、転換型と連鎖型は増加している」「転換型がふえているのは、叙述が多面的多角的になってきていることを示す」「これは段落意識の発達と無関係ではあるまい」などの分析が述べられている。

教科研東京国語部会・言語教育研究サークル1963『文法教育 その内容と方法』(麥書房)/実践例教材例/小・中
 教材(接続詞の文法的説明、設問[接続詞の抜き出し、補い])を示すとともに、その説明(文法的説明、意味的分類、接続詞なみの語句[というのは、とすれば等]の提示)が行われている。中学校前期対象、ただし小学校高学年・中学校後期でも利用できるとしている。

藤井文英1963「低学年国語教科書にあらわれた連接関係と形式」『研究紀要』44(福井県教育研究所)113-128頁/実態・教科書/小1・2
 小1・2年の教科書(教育出版)から連接形式の用例を集め、連接類型別・形式別に整理して示している。順接型(同語反復、無形式、言い換え、接続語、指示語)、逆接型(接続語)、添加型(接続語、助詞)、対比型(接続語、特殊な形式)、転換型(一行あけ、接続語など)、補足型(「のだ」、接続語など)、くりかえし型等に分類している。

三原長1963「教科書にあらわれた接続詞」『国語研究』42(愛媛国語研究会)73-79頁/実態・教科書/中1〜3
 中1〜3年の教科書(三省堂と思われる)に使われている30種の接続詞について使用頻度を調査した結果が示されている。また、教科書の、接続詞に注目させる「学習問題」や接続詞の単元の意図を学習指導書に基づき考察するなどしている。

高橋弘1964「文と文との連接関係の指導―三年生の実態を中心に―」『実践国語』298(実践国語研究所/穂波出版社)282-286頁/実態・調査/小3
 物語文の要約のつまずきの原因の一つとして「連接関係を示す諸形式の誤用」を挙げ、「子どもに文と文との連接関係に注目させ、文章の流れを意識させていくような指導と、あらすじの指導とは、深いつながりがあることが予測される」と述べている。また、連接関係に不備のある文章から子どもはある程度不備を指摘できることを示し「三年生の段階でも、文と文との連接関係についての意識はかなり高まってきている」と述べ、「三年生の子どもの実態に立って、文と文との連接関係の指導、文章の流れを意識化させていく指導を積極的にとり上げてみたい」と述べている。

戸高素1964「論理的文章の読解と文法指導 論説文 中学校の場合」森岡健二他編『口語文法講座4 読解と文法』(明治書院)110-148頁/実践例教材例/中
 「読解」にことばのきまりを取り入れた「文章論的読解」の実践例を詳細に記したもの。「文章論的な学習指導事項」として「文の構成の学習」「文と文の接続の学習」(接続語、指示語など)「段落と段落の関係の学習」について詳しく述べている。「読解指導の基本に文章論(ことばのきまり)を取り入れて、いかにして科学的に読解学習を行うか」が課題であるとしている。

大窪教海1965「〈中学校〉 読解指導における接続語の扱い」『文学研究』22(日本文学研究会)52-59頁/実践例教材例/中
 文章の読解に役立つ「語・文・段落を接続させる語」には、接続詞、接続助詞、代名詞、連体詞、副詞、形容動詞、くりかえし語句、時をあらわす語句、対比の「は」、文末の「のだ、からだ」があることを述べ、中3教科書教材「マス・コミュニケーションによる報道」(教育出版)を材料にして、上記の接続させる語を、「接続する強さによって、八つの段階」に分けている。そして「語・文・段落をひと続きの筋の通るものとしてとらえさせることは、読解をより正確なものにする一つの手段」と述べている。

信州大学教育学部付属長野中学校1965『昭和40年度 中学校教育研究会要項』(信州大学教育学部付属長野中学校)/実践例教材例/中
 読解に直結する文法の内容は「連接論」であるとし、読みのつまずきが生じた場合に文法指導(連接論)がもっとも有効に行われると指摘している。接続語句の意味・用法を理解させるための具体的指導方法、接続語句に着目して文と文との連接関係を理解させるための具体的指導方法(接続語句を補う、ことばによる説明、図式化、連接類型の理解)などを示している。実証授業案・公開実証教材が示されている。(未公刊)

桑原文次郎1966「文の連接と呼応について」『国語科教育』13(全国大学国語教育学会)62-68頁/実践例教材例/記述なし
 文の連接類型の提案と文章例による例示を行っている。「論理的な向き」「心理的な向き」を根本に据え、論理的な向きによって、展開(承述・要約、順接、逆接)、説明(比ゆ・例示、理由・原因、補足・保留)、同格(反復・言いかえ、添加)、転換(転換)の4大分類と小分類を示している。心理的な向きによって、「同じ向き(反復、同調)」「ちがった向き(対照、矛盾)」を示している。そして論理的文章だけではなく、「文学の鑑賞にあたってはことばの向きに注目し、呼応しあっていることばがどういう方向を向いているかを感じとることが大切だ」と述べている。

大久保愛1967『幼児言語の発達』(東京堂出版)/実態・発達・調査/幼児
 幼児の接続詞の使用の実態を用例とともに詳細に記述している。「接続詞は品詞の中でいちばんおくれて使用される語である」「2歳2からこの2歳3の時期にかけてはじめて接続詞が出てくる」「3歳代になると、接続詞のつく文が多くなってくる」「順接が先に出、逆接がおくれる。すなわち「それで」「それから」などが最初にあらわれ、「だけど」「だって」などがおくれる」、累加「それから」「そ(う)して」・展開「それで」「じゃー」「だから」・理由「だって」・反対「だけども」が多い、「「それで」A段階、「それから」「じゃー」「だって」はB段階の語である」などの指摘がなされている。なお、A段階は調査対象児が6歳までに使った回数が100回以上の語、B段階は50回以上の語である。

三尾砂1968「言語教育に立った国語教育」『Kotoba to Kurasi』2(日本ローマ字会出版部)1-9頁/実践例教材例/小
 国立国語研究所1969『小学生の言語能力の発達』の接続詞調査結果を示し、接続詞が使用できていないという調査結果を「驚くべき」こととし、「hituyoなことは、まず接続語のリストをつくって、その用法をとりたててsidoすることである。それは接続語のsidoにとどまらず、思考力のkunrenである。」と述べている。

国立国語研究所1969『小学生の言語能力の発達』(明治図書)/実態・発達・調査・作文/小
 「文と文をつなぐ接続語」を使う能力を調べるために、文間に接続詞を補う調査を行い、その結果「「あるいは」「さて」のような、多少文語めいたようなものや、「それに」のように、多少感情的な意味の加わったものの使用については、4年生から6年生にかけてあまり向上が見られず、卒業時にいたっても、半数がこれを使用できるかどうかもあやしい。」と指摘している。また、児童の課題作文から接続詞の使われ方(学年別の用法の比率及び誤用)を調査し、誤用の型として「接続詞が使えない」「接続詞の多用・乱用」を示し学年別の現れ方を分析している。さらに、作文テストにより接続詞の使用状況の学年別発達状況を示し、課題作文での発達現象と共通することを示している。そして「接続詞を使い分ける基礎的な能力は、一応中学年後期ごろまでにつくものと思われる」「6年ごろには、文と文を連接するはたらきはあまり破綻なくできるようになる」という傾向をまとめている。

林四郎1969『文章表現法講説』(學燈社)/実践例教材例・文章作法/一般
 文章表現法の図書。「第三編作文の部分練習 第三章文に文を続ける練習 第二節承前性の文・第三節転換性の文」に接続詞に関して説明と課題が示されている。課題は、「そして、だが」等の接続詞を付け、続く文を作る課題などである。

大石初太郎1970「どうすれば?・・・・・・・・・・・・・・・になるか 効果的な文章 (悪文矯正の手帖 よりよい文章へ)」『国文学 解釈と教材の研究』15-2(學燈社)142-150頁/文章作法/一般
 「効果的な文章」の書き方を述べたもの。「接続詞の効用」と題して、芥川龍之介と井伏鱒二の文章を示しそれぞれ文体の特徴をなしているとし、接続詞の適切な使用や省略などで効果をあげることができると述べている。

小田島哲哉1970「接続詞の解釈―指導上のポイント―」『月刊文法』2-12(明治書院)111-118頁/実践例教材例/中・高
 指導内容を示しながら、文章読解と接続詞の役割との関係を述べたもの。文法論の「接続詞」を知識として教える意義はない、文章読解で接続詞は「段落相互の関係」を見きわめる手だてとなる、「接続詞「を」教えるよりは、接続詞「で」教えるべき」ということを主張している。

国立国語研究所1971「言語の表現機能と伝達効果の研究」『昭和45年度国立国語研究所年報』22・31-43頁/実態・発達・調査/幼児
 幼児(46名)を対象とした問答形式による言語調査に基づき、幼児の使用する接続詞の種類と使用率、及び使用の実態(発話のはじめ、発話中の文頭・文中・文末)を、最も使用頻度の高い「それで」を例にして記述している。

高橋巌1971「幼稚園教師のことば―「しりとり式話法」と「鎖連歌式話法」そのほか―」『日本語』11-4(国語を愛する会)9-10頁/実態/幼児
 幼児の言語発達に影響を与える幼稚園教師のことばの特徴を述べている。「そうしてね」「そして」などの接続詞の多用が目立ち「中断部分が多すぎて聞きぐるしい」ため減らすべきである、話し相手の直前のことばを反復してしりとりのように話を展開する形式は「聞く態度を安易にさせる」ため適度に反復すべきであることなどを指摘している。

伊東道雄1972「文章の構成を理解させるための指導事例(小学校二年) 文と文との続き方に気づき指示語や接続語の役割を理解させる」『教育科学国語教育』14-7(明治図書)33-37頁/実践例教材例/小2
 説明文の構成を理解していくための視点として、接続詞によって「説明しようとすることがらの見とおしをもつ」「説明していることがらの時間的経過がはっきりする」「説明していることがらの順序がはっきりする」「前後の文の意味関係がはっきりする」という点を挙げ、「えんぴつのできるまで」(学図)の実践経過を記したもの。「接続語や指示語に注意しながら」書かれた内容の順序を読み取らせている。

宇都宮利久1972「論理的な文章表現力を育てるための指導―文の連接関係について―」『愛媛県教育センター教育研究紀要』28・1-14頁/実態・発達・作文・教科書・実践例教材例/小1〜6
 論理的な文章表現力のためには「文の連接関係」が重要であるとし、その実態の分析と指導例を述べたもの。実態の分析は、自由作文(小1〜6、計176名)及びM社教科書小1〜6「書くこと」の教材文に使用された接続詞の一覧を示し、学年別の連接類型や使用頻度や誤用の傾向を分析している。また作文の誤用の傾向として「でも、だから、そして、それで」が関わるものが多いことを指摘している。指導に関しては「低学年では文連接、高学年では段落展開についての意識をもたせて接続語の適切な使い方を指導したい」と述べている。

唐木順三1972「助詞・接続詞の発音の仕方」『国語教育』14-2(三省堂)1頁/実態/小・中
 巻頭言。「このごろ小・中学生の助詞や接続詞の発音の仕方がむやみに強すぎて、不快である」とし「そうしての「て」、けれどもの「ども」、なかでもそれでの「で」」が強すぎることを指摘している。

田中正巳1972「文章の構成を理解させるための指導事例(小学校三年) 文と文との接続の関係を理解させる―「春の祭り」(光村三年下)の展開をめぐって―」『教育科学国語教育』14-7(明治図書)38-42頁/実践例教材例/小3
 小3段階では、「文と文とのつながりに注意を向けさせるようにする」ために、「説明している」「まとめている」「例をあげている」などのことばを使って意識を向けさせていくのが適当であるとし、「春の祭り」(光村)の指導例を示している。「「つまりということばは、どんなときに使うことばか」と問い、それまで述べてきたことをまとめていうときに用いることばであることを把握させる」などの指導内容が挙げられている。

船坂民平1972「作文指導における一考察―接続詞を中心にして―」『岐阜大学国語国文学』8・63-75頁/実態・発達・作文・実践例教材例/小1〜6
 「子どもが文章を書いていくうえで、有用な「ことばのきまり」」を「接続詞に求めた」とし、小1〜3(同じ学級の3年分)の作文の接続詞・接続助詞の使用実態・頻度に基づき傾向を分析している。また「接続詞が子どもが文章を綴っていく推進力となる」としたうえで「それから、そこで」等を発達段階に応じて使いこなせる必要があることなどを述べている。さらに小2〜6年の接続詞の指導系統の具体案を示している。

堀川勝太郎1972「文章の構成を理解させるための基本的指導事項 文と文との接続の理解のさせ方」『教育科学国語教育』14-7(明治図書)5-10頁/実践例教材例/小
 説明文の読解力を伸ばすために、文と文との接続の基本型を理解させることが重要であるとし、基本型として、誘導・解説、細叙・統括、並列、対立、原因・結果、結果・理由付けの6つの関係を挙げ例文を使い説明している。そして、基本型を理解させるために文章の構造図を作らせるなどの指導法を示している。

国立国語研究所〔大久保愛〕1973『幼児の文構造の発達―3歳〜6歳児の場合―』(秀英出版)/実態・発達・調査/幼児
 3〜6歳の幼児(延べ305名)を対象とした録音資料に基づき、幼児の接続詞の習得の実態を分析したもの。「幼児が日本語の文を習得していく過程」で「接続詞が一番習得がおくれ、他の成分よりのちに出ていた。それが、5、6歳児になったらどんなふうな実態を示すようになる」かを見たもの。接続詞の種類(それで、それから、そして、そしたら、だから、だって、だけど、でもそうすると、じゃ、それなら、そうすれば」等)や使用人数、個人別の使用状況(よくしゃべる幼児は接続詞の種類も多い、幼児によって好きな接続詞がある)、使用の実態(発話のはじめや発話文頭では間投詞的用法が多いこと、「そして、それで」等の誤用について、「だけど、でも」等の逆接接続詞は年齢を問わず少ないこと、大部分の幼児は日常会話の場合長い話をしないので接続詞を余り使わないこと等)、使用の実例等を示している。なお、一部は、国立国語研究所1971に報告した内容を含んでいる。

吉田浩1974「説明的文章の読解能力と作文能力との接点―接続詞の働きを中心として―」『国語国文 研究と教育』2(熊本大学)58-65頁/実態・作文/中1
 中1(1クラス)を対象とし、読解力と作文力との関係を探るために、接続詞の使用に着目し実態を調査している。読解能力調査(読解問題)の成績と作文能力調査(作文に使用された接続詞)の結果を比較し「接続詞を多種類駆使できるということは、まとまった作文が書けると共に読解能力も高い」ことを指摘している。

国立国語研究所1975「現代児童・生徒の言語能力の動態調査」『昭和49年度国立国語研究所年報26』(秀英出版)38-62頁/実態・発達・作文/幼児・小2・4・6
 幼稚園児・小2・4・6(計87名)に4こまの絵を見せ話させる調査(一部書かせる調査も)を行い、用いた接続詞、接続助詞を調査した結果を示し、発達傾向を分析している。各接続詞の使用頻度を示し「そ(う)して、それで、そ(う)したら、それから、(そう)すると」などの発達傾向や、書かせた調査(書き言葉)の方が接続詞の種類が多いことなどを指摘している。

林四郎1975『文学探求の言語学』(明治書院)/実態・発達・作文/小2〜6
 「児童文章の言語分析」(230-246頁)(林1958の再録)

坂野登・天野清1976『現代心理学双書3 言語心理学』(新読書社)/実態・発達・調査/幼児・小1〜3
 天野が国立国語研究所で昭和43年から行った調査の一部(未発表資料)。「就学前期における幼児は、接続詞の意味的特性について、きわめて不十分にしか自覚せず、その発達は、小学校期全体にわたって経過していることを示唆する資料が得られた」と述べている。また、「だけど、だから」の文章完成法テスト(幼児〜小3)の正反応率の年齢的変化のグラフを示している。(1993年に独立単行本発行)

高橋俊三1976「独話(スピーチ)における「接続のことば」の実態と指導―中学生独話指導の方法をさぐる―」『国語科教育』23(全国大学国語教育学会)20-26頁/実態・調査・作文・実践例教材例/中1・2
 中1(40名)のスピーチに使われた接続詞と接続類型を調査し「効果的なスピーチには接続のことばが効果的に使われている」としている。また、中2(40名)のスピーチ指導に「接続のことばの指導」(生徒のスピーチの具体的検討による指導)等を加えることにより、「接続のことばの意味と用法を指導すれば、スピーチにおいても、的確な使い方ができるように」なることを示している。

加留部謹一1979「文のつなぎ―『接続詞』の使用状況―をさぐる」『福岡教育大学国語国文学会誌』21・22-29頁/実態・作文・教科書/小・中
 小・中学校の教科書(光村)に使われている接続詞の頻度調査の結果を示し、小4で使用頻度がやや少なくなっていることなどを指摘している。また児童生徒の作文の接続詞の使用状況と比較し、出現に関し教科書と1年間の差が見られるものがあること、特に逆接の接続詞の使用に学年段階がはっきり現れやすいことなどを指摘している。

徳良一夫1979「(三学期の教材研究) 接続詞について(二文の関係)」『国語の授業』34(児童言語研究会/一光社)67-75頁/実践例教材例/小5
 小5の「ことばのきまりD」(学図)の「二文の関係を考える(接続語)」の具体的な指導計画を示したもの。二文の間に接続詞を補う活動、接続詞のある後文に続くように前文を考えさせる活動など様々な活動を通して理解を深めさせようとしている。

長田久男1979「「連文に関する教育」の史的展開―昭和二〇年以降―」『岡山大学教育学部研究集録』50-2・328-314頁/実態/小中
 「連文に関する教育」が、「昭和二〇年以降、小学校及び中学校における国語教育において如何に認識され実践されてきたのか、その史的展開を概説」したもの。学習指導要領及び教科書教材を取り上げ、学習指導要領の時期ごとに概説している。教科書の関連教材での接続詞指導の類型や独立教材での扱い方などを具体例を示しながら分析している。「連文に関する教育」が、「一般に自覚された」のは第三期(昭和36〜45年)である、「第三期では小学校五年生から実施すること」を示している、第四期(昭和46〜54年)では「小学校二年生から実施することを示している」、「第三期よりも第四期は、「連文に関する教育」の必要性がいっそう強く認識されたことを物語っている」ということを指摘している。

大熊徹1980「小学生の作文に見る「でも」から「しかし」への発達傾向」『月刊国語教育研究』94(日本国語教育学会)30-36頁/実態・発達・作文・教科書/小3〜6
 同一児童(37名)の小3〜6の作文の接続詞の使用の実態を調査し傾向を分析している。児童が使用した国語教科書小1〜6の作文単元、小6教科書3社の教材文、新聞記事のそれぞれの接続詞の実態調査の結果も示しながら、特に「でも」から「しかし」への移行が5年から6年にかけて見られることに注目している。ピアジェの発達段階説に基づきながら、具体的操作期である中学年児童は「話し言葉」という具体的「状況に密着した言語」である「でも」を用いるのに対し、形式的操作期に入る高学年児童は「より論理的に展開することができるように」なり「文章語として抽象的な言語である「しかし」を使えるようになる」と分析し、「具体的操作期から形式的操作期へと発達するにつれて「でも」から「しかし」への移行が見られる」、「累加型の接続詞「それに」と「また」との間にも同様の実態」が見られる、「同格型・補足型・対比型・転換型の接続詞が高学年に多く見られるという実態も、これと関連付けて考えることができる」としている。(井上・大熊1985に再録)

大塚昭夫1980「文の接続に注意させる関連指導―「秋祭り・他」―」『実践国語研究』4-3(明治図書)38-44頁/実践例教材例/小3
 文と文との接続に注意させることを取り入れた実践を「秋祭り」「いろいろなつたえ方」「水族館の見学」を教材として行い報告したもの。前文を読んで続きの文になるように書く、「しかし」に注意して筆者の意図を読み取らせる、「しかし」を用いて短文を作る、「そして、それから、それに」などの「順序語」に注意して読み取らせるなどの指導を行っている。

大村彰道・撫尾知信・樋口一辰1980「文間の接続関係明示が文章記憶に及ぼす影響」『教育心理学研究』28-3(日本教育心理学会)174-182頁/実態・調査/大
 大学生(計122名)を対象とし、「文間の接続関係を明示する表現」の多少と記憶再生との関連を明らかにすること、及びこうした表現の多少と「個人の能力との交互作用の有無を検討すること」の2点を目的とし実験調査した研究。演繹的推理能力の高い被験者は接続関係が明示されていない文章の方が理解・記憶が容易であるのに対し、演繹的推理能力の低い被験者は接続関係が明示されている文章の方が理解・記憶が容易であるという結果を示している。さらに国語教育への示唆として、「推理能力があまり発達していない学習者には、文間の接続関係を明確にし、内容理解を助けること」ができること、「接続詞や接続助詞などの数を増すことにより劣っている能力をカバーする」ことができるだけでなく「より積極的に、その数を意識的に操作して処理能力の発達を促進」するために「徐々に文間の接続関係を暗示的にしていっても、関係を推理して理解できるようにする訓練」が考えられることなどを指摘している。

蛭田正朝1980「(中学年)到達基準の設定と学習のシステム化―「接続語」の指導を通して―」『教育科学国語教育』271(明治図書)41-46頁/実態・発達・作文・実践例教材例/小1・3・6
 小1・3・6年生(計37名)の作文に使用された接続詞「それで、そこで、すると、けれども、そして」の使用数を調べ、「「すると」を除いて、三年生に使われる数が多い」「三年生の段階では、接続詞がたくさん使われるが、使い方が正確ではなく、定着が不十分である」という実態を指摘している。さらに、この実態に基づき小3を対象として接続詞の取り立て指導の実践例を示している。順接と逆接のグループ分けやそれぞれの役目を知るという目標に沿った教材が挙げられている。

藤友雄暉1980「幼児における語彙の発達的研究」『北海道教育大学紀要(第一部C)』31-1・71-79頁/実態・発達・調査/幼児
 同じ一人の幼児の4・5・6歳における語彙の発達の実態を報告したもの。品詞別の使用率の変化や基本語彙を示している。接続詞は「して、そしたら、そして、それから、それで、だから、だけど、でも」の8語を4・5・6歳児の基本語彙として示している。

池田進一1981「接続詞明示と推理能力が乱脈文の多試行自由再生における体制化に及ぼす影響に関する発達的研究」『教育心理学研究』29-3(日本教育心理学会)207-216頁/実態・発達・調査/小5・中1
 小5・中1(計75名)を対象として、「文間の接続関係を明示する表現の多少(中略)と記憶再生との関連」及び「文間の接続関係を明示する表現の多少と演繹的推理能力との交互作用の有無」を明らかにするために実験調査を行った研究。小5では、接続詞の多い材料文を用いた推理能力の高い被検者群は、原文通りの順序で再生する傾向があったが、接続詞の少ない材料文を用いた場合その傾向はなかったこと、中1では小5におけるような結果は見られなかったことなどの結果を示し、「小5と中1という2つの発達段階を具体的操作期から形式的操作期への移行期として捉えれば、中1は命題論理の思考様式を含む形式的操作を小5より正確に遂行したためと解釈される」などの考察を行っている。

山本稔1981『文章表現に生きる文法指導』(明治図書)/実態・発達・作文・実践例教材例/小・中
 主に作文指導に役立つ文法指導について、その意義、内容、指導方法や実践例を体系的に述べている。作文指導での接続詞指導に関して、学年別に重点的に取り上げる接続詞の種類や接続詞の誤用などが示されている。学年別の具体的な指導事項として、小学校低学年では「順接(すると・そうして)、逆接(けれども、しかし、それでも)、累加(また、そして、それに)、転換(つぎに、こんどは)などを、とりたてて、その意義を指導するのではなく、表現活動の中で具体的にその役割や使い方を指導する」ことを示し「文と文との続き方の関係を考えながら書く」こと、小学校中学年では「順接(そこで、だから)、逆接(でも、しかし)、累加(そして、それに、さらに、しかも)、同格(たとえば)、転換(ところで、それでは)」を示し「文と文の接続関係に注意して書く」こと、小学校高学年では、順接(したがって、こうして)、逆接(ところが、だが)、累加(それから、そのうえ)、同格(つまり、いわば)、転換(では、さて、それなら)、対比(あるいは)を示し「接続語の機能を押さえて文章の中で適切に使って書く」こと、中学校では「転換・添加・順接・逆接・対比・同列・補足・連鎖など接続の機能をふまえ」「文と文の接続関係を考えて書く」ことをそれぞれ挙げている。

大熊徹1982「第U章 言語教材研究のあり方 二 小学校における言語教材―接続詞を中心に―」『東京学芸大学公開講座T 国語科教育の教材研究』(教育出版)74-82頁/実態・教科書・実践例教材例/小1〜6
 小学校における言語教材に関して、教科書に取り上げられている接続詞を示しながら、指導のあり方を述べたもの。5社の国語教科書の「接続詞に関する教材の扱いの実際」を調査し示している。「なるべく多くの接続詞を取り上げる」「学年間の系統を調べる」「児童の使用の実態を踏まえて指導する」「概念くだき」を行うことが重要であると述べている。

甲斐睦朗編1982『小学校国語教科書の学習語彙表とその指導』(光村図書)/実態・教科書/小1〜6
 小学校国語教科書(光村図書)の語彙表及び「語彙指導の方法と実際」を示したもの。小学校国語教科書における接続詞の種類や学年別の頻度などが示されている。

国家順子1982「接続詞の発達」秋山高二・山口常夫・F.C.パン編『言語の社会性と習得』(社会言語学シリーズ4・幼児言語学シリーズ4)(文化評論出版)255-276頁/実態・発達・調査・作文/幼児・小1・2
 幼児の接続詞の発達の実態を各種調査資料に基づいて明らかにしている。Piagetの接続詞の発達の心理学的説明も参照しながら分析を行っている。「子どもは3才頃から」「接続詞をその本来の機能に添(ママ)って使用することが多くなり、後に可能となる論理的思考へ向けて助走を始めるといえる。が、書き言葉の世界に入る小学1年生においては(中略)話し言葉の上では既に卒業した筈の、順接を中心とする使用に一旦戻り、その後、学年が進むに従って、逆接や話題の転換を表すための接続詞の使用に向かう」という結論を示している。

釣雅行1982「子どもの思考の発達と接続詞―心理学的考察をふまえて―」『富山大学国語教育』7・16-27頁/実態・発達/小
 Piagetの発達段階説(「小学校の段階は、前操作期・直観的思考→具体的操作期→形式的操作期という段階を辿る」)に基づき、この段階の思考の特徴と接続詞の使用とを関連づけて考察している。結論として「子どもの思考の発達において、9歳前後が転換期である。この転換期は、接続詞使用のあり方の中にも見い(ママ)出すことができる。つまり、9歳前後は、具体的操作期を出発点とし、形式的操作期に至る過渡期である。この時期の子どもには、論理的思考が可能になりはじめ、文章もより抽象的になっていく。それに付随して、7、8歳以前に使用される「累加」や「展開」の接続詞に加えて、自己の論理を的確に構成していくに必要な「反対・その他」の接続詞の使用が可能になるのである。その時期が、9歳前後であり、中学年段階なのである。」と述べ、接続詞の使い方に明確な発達段階があることを示している。

藤堂浩伸1982「文法指導の考察―小五・接続詞の指導を通して―」『愛媛国文と教育』13(愛媛大学)42-55頁/実践例教材例/小5
 小5「言葉について考えよう」の単元で行った、接続詞に焦点を当てた「文のつなぎ方」の実践例と考察をまとめたもの。具体的な授業展開も示されている。接続詞の役割を理解し表現に役立たせることを目標にして、「接続詞を集めて、前後の文関係にもとづいて、それを分類する」「前後の文関係を考え、接続詞の働きを理解する」「二つの文を一つにつなぐ」「長くて意味のわかりにくい文を、接続詞や接続助詞を使って分かりやすい文に書きかえる」などの活動を行っている。

野村俊明1982「接続詞の獲得にみる因果的思考の発達」『東京大学教育学部紀要』21・173-181頁/実態・発達・調査/幼児・小1・3・5
 幼児・小1・3・5(計80名)を対象として、特に因果関係を表す接続詞の発達について実験調査を行った研究。「なぜなら、そのわけは」(原因)、「だから、それで」(結果)を用いる文章完成課題を面接及び質問紙で行っている。Piagetの「並置の問題」に関連して因果関係を表す接続詞の獲得の筋道などを検討し、「原因と結果の結びつきの必然性に関する意識の発達こそが、因果的思考の発達を研究するときの中心」に据えられるべきであること、「だから」が単に使えるだけでなく「それから」と区別して使えることが重要であり、発達は単なる知識の蓄積ではなく「未分化から分化への過程とし把握されるべき」であることなどを指摘している。

宮地裕1982「国語教育と日本語研究」川端善明他編『講座日本語学1 総論』(明治書院)128-154頁/実践例教材例/小・中・高
 言語事項の教育と日本語研究とのかかわりを論じたもの。「日本語研究がもっとも直接的に国語教育とかかわるのは、当然言語事項のとりたて教育」であるとし、筆者が執筆した教科書教材を示しながら指導のあり方を述べている。「文をつなぐ言葉」(小5)を取り上げ、文法教育での接続詞の扱い方として「文関係の意味構成のためにどのようにはたらくかという、まさに意味の表現・理解の観点からあつかわれることがのぞましい」と述べている。さらに中学校では、同じ連接類型の「だから」と「それで」の違いや「けれど」と「しかし」の違いといった「語彙文法論的な意味・機能の細部への発展」も文法教育過程の一方向として考えられることを指摘している。

茂呂雄二1982「児童の文章産出―短作文における文脈形成分析の試み―」『教育心理学研究』30-1(日本教育心理学会)29-36頁/実態・発達・調査/小2・4・6
 小2・4・6(計112名)を対象とし「文脈形成短作文課題」(文を示しそれに続くようにお話を作らせる課題)を課し、1文の文字数などの量、文脈展開の形式、文間の意味的概念的関係などの発達的変化を検討したもの。接続詞に関しては「接続詞の使用は増加することが予測されたが、増加傾向はな」かったという結果を示している。

教育技術研究所編1983『資料 国語教科書文例(小学校編)―文型・分野―』(教育社)/実態・教科書/小1〜6
 小学校国語教科書を「文単位で調査し、さまざまな角度から整理し用例化した結果」を体系的に示している。「接続詞を含む文」では、「接続詞用例」(各社の4年上巻・5年上巻に限定して「接続詞を含む文例とその直前の文例を組み合わせて」提示)と「接続詞を含む文」(全学年を対象として「接続詞の存在する文例を単独で提示」)の二つに分けて用例が示されている。

教育技術研究所編1983『資料 国語教科書文例(小学校編)―解説―』(教育社)/実態・教科書・実践例教材例/小1〜6
 『資料 国語教科書文例(小学校編)―文型・分野―』の解説編。「接続詞を含む文」に関して「立項の目的と意義」「接続詞の用法上の分類」「教材化の方法と教材例」「実践上の留意点」がまとめられている。教材化に関しては「最も基本的なものとしては、二つの文を提示し、ふさわしい接続詞を選択肢から選ばせる」「選択肢を設けずに、該当するものを入れさせる」「接続助詞を接続詞に、またその逆に、接続詞を接続助詞に置き換えさせる」「接続詞によって連接される二つの文のうち、いずれか一方のみを示しておき、他方を補わせる」「接続詞を含む文を数多く提示しておき、その中から、同種の機能を有する接続詞を含む文を指摘させる」「接続詞を含む文を提示し、その接続詞を別のものに変え(たとえば、順接→逆接)、下文を書き改めさせる」などの例を示している。また、4〜5年の時期になると「接続詞を含む文章が増大すること、また、接続詞に連接される前後の文の内容が、かなり含蓄の深いものになってくること」を指摘している。さらに「特に五年生の段階に入ると、接続詞に限って言えば、六年生の時期に採り入れられるものとほとんど差異はなく、小学校での一応の達成点を示すものと考えられる」と述べている。

小林千草1983「児童の文章における接続詞―小学一年生の場合―」『国文学 言語と文芸』94(大塚国語国文学会/桜楓社)119-152頁/実態・発達・作文/小1
 小1の一人の児童が1年間に書いた日記・観察記録などを対象として「接続詞が、それら文章の中でどのような発達を見せているか、また、各接続詞はどのような意識を経過してどのような用法で用いられているかなどについて報告」したもの。1年間に使用された接続詞の種類と発達の様相や、接続詞一語一語の使用意識と用法の詳細な分析などが示されている。

仲真紀子1983「接続詞「だから」の獲得過程―論理的推論と経験的推論における「だから」の使用の発達―」『教育心理学研究』31-1(日本教育心理学会)28-37頁/実態・発達・調査/小2・4・6・中・大
 「だから」の二つの機能(論理的推論を表す機能「夏は暑い。だから暑くなければ夏ではない。」と経験的推論を表す機能「夏は暑い。だから薄着をする。」)それぞれの獲得過程を、小2・4・6及び参考資料として中2・大(計160名)を対象として調査した研究。「論理的機能の獲得は遅く、6年になって獲得の兆しが見られること、経験的機能の獲得は早く、2年でもかなり獲得されていることが示された」としている。

立尾保子1984「文と文との接続意識の調査」『国語情報』15-5(国語教育科学研究所)6-10頁/実態・調査/小5
 小5(1クラス)を対象とし、接続詞の使用の実態を知るために、文章中の空所に自由に接続する語句を補う調査を行い、その結果を分析している。「文と文とを接続する指導は、いわゆる接続語の使用を強制するのでなく、もっと自由に、接続語に準ずる働きをする語句(文節や連文節)を使って、効果的に、生き生きと表現することが大事であることがわかった」と述べている。

井上尚美・大熊徹1985『授業に役立つ 文章論・文体論』(教育出版)/実態・発達・作文・教科書/小3〜6
 「「でも」から「しかし」への発達傾向」(156-169頁)(大熊1980の再録)

永野賢編1986『文章論と国語教育』(朝倉書店)/実践例教材例/小・中・高
 文法論的文章論の文章分析観点(文の連接、連鎖、統括)等を取り入れた教材分析に基づく授業実践の報告が数多く載せられている。

佐藤恭子1987「接続詞のテキスト読解機能に関する一研究」『KELT(Kobe English Language Teaching)』3(神戸大学大学院教育学研究科英語教育研究会)43-58頁/実態・調査/中・高・大
 中2・高3(計137名)を対象とし「接続詞の有無がテキスト読解にどの程度影響するか」を「内容理解のテスト問題形式」で調査し、「全般に年齢が高くなるにつれて接続詞の読解力に対する影響力は少なくなる」「転換の接続詞が抜かれた場合、すべての被験者において誤答が増えた。この結果から一般に接続詞が文章読解に果たす機能は大きいが、その機能度は種類によって程度差があると考えられる」などの考察結果が示されている。また、中・高・大(計137名)を対象として「何らかの意味的つながりのある2文を与え、その2文間に適当なつなぎの言葉を入れさせ、文と文の流れを読み手がどの様に解釈するか」を調査し、「接続詞の意味により推論しやすいものとしにくいものがあった」「その傾向は、添加―逆接―確定条件―転換の順に推論がしやすくなるという結果となった」などの結果が示されている。さらに、語並列、換言・例示、文並列、因果、逆接、転換の順で「意味的関連性から機能を考えると関連性の強いものから、まったく無関係なものへいくほどその機能度は、一般的に大きくなる」と指摘している。

早川勝広1987「言語習得における「接続」の問題」『日本語学』6-9(明治書院)104-112頁/実態・発達/幼児
 幼児の接続詞習得研究に関する問題点を考察したもの。「「形式」においてだけ捉え、接続詞・接続助詞の使用状況の調査ということに自己限定してしまいがちである」「むしろ、関係性や接続ということの「機能」を本位として、幼児の発話を読んでいくことが大切である」「「誘導」的関係から「接続」と「修飾」とが分化=派生する」「「接続」と「修飾」とが未分化なままにあるという始原的な「関係性」から問題を掘り起こす必要がある」「接続詞そのものは、はじめ、文と文の間に使われるよりも、対話における相手向けの発話(文)に使われがちである」などの指摘がなされている。

吉田則夫1987「国語教科書の接続語」『日本語学』6-9(明治書院)95-103頁/実態・発達・教科書/小1〜6
 主に、甲斐睦朗編1982『小学校国語教科書の学習語彙表とその指導』及び教育技術研究所編1983『資料 国語教科書文例(小学校編)―文型・分野―』『資料 国語教科書文例(小学校編)―解説―』に基づいて、小学校国語教科書の接続詞の使用の実態を分析している。「そして」「しかし、すると、また」「けれども、そこで、それから、それで、でも、ところが」の順で全学年を通じて出現総数が多いこと、小学校国語教科書の文章は「接続詞を含む文」の割合がかなり高いこと、「会話文特有の接続語が目立つ」ことと「単純語というよりも語句の形態をとるものが多い」ことが小学校国語教科書における接続語の特徴であることなどを指摘しているほか、小学校国語教科書での接続詞の二重使用(同種併用、異種併用)の実例を取り上げている。

菅野圭昭1988「随筆教材の研究 4 構成と文の接続を学ぶ―黒井千次「現在進行形の夢」の表現」『月刊国語教育』8-4(東京法令出版)130-135頁/実践例教材例/高
 高校教材「現在進行形の夢」(黒井千次、大修館書店『高校国語U』)の教材研究と指導例をまとめたもの。文章の構成と文の接続を学習することを目的に据えている。「文の接続」の学習に適した教材であり、接続詞(たとえば、しかし、けれども等)が効果的に用いられているとし、接続詞に注目させて読み取らせる設問例を示している。

小林千草1988「接続詞と文連接―小学二年生の場合―」『日本語研究』10(東京都立大学)73-85頁/実態・発達・作文/小2
 小2の一人の児童が1年間に書いた日記・観察記録などを対象として文連接の様相(投げ出し型、接続詞型、指示詞型、重ね型)を分析している。接続詞に関しては、使用した接続詞を示すとともに、「そして、それから、だから、でも、そしたら」などを取り上げ、小1の時期(小林1983)と比較しながら発達の様相を分析している。

中野芳江1988「教材の核となる「けれども」「わずか」に着目した発問と授業―大竹政和「大陸は動く」の場合―(小学校五年)」長田久男編『国語とその授業―岡山大学停年退官記念論集』(和泉書院)374-387頁/実践例教材例/小5
 小5教材「大陸は動く」(光村図書)の教材分析と詳細な実践報告をまとめたもの。「核となる「ことば」に着目」させる必要があるとし、「「けれども」ということばがあることによって、どんなことが分かるか」という発問を取り入れた実践を行っている。

仲真紀子1988「接続詞「だけど」の使用に見られる推論枠組みの利用とその発達」『教育心理学研究』36-3(日本教育心理学会)220-228頁/実態・発達・調査/小2・4・6・中2・大
 「だけど」の使用には、「変換、経験的推論、類比/対比、言及といった推論的枠組みが使用されている」ことをまず調査によって確かめ、これらの推論的枠組みの発達的変化を、小2・4・6、中2、大(計161名)を対象として調査したもの。「「だけど」の使用は、経験的推論、言及に関しては小学校期において、また類比/対立や変換に関しては、大学までを通じて獲得される」という結果を示している。調査に用いた例文は、変換(猫は大抵ネズミを取る。だけどネズミを取らない猫もいる。)、経験的推論(念入りに計算した。だけど間違えた。)、類比/対立(お父さんは男だ。だけどお母さんは女だ。)、言及(花子は確かに美人だ。だけど意地悪だ。)などである。

中田敏夫1989「国語教科書接続詞にみる男女差」『金沢大学語学・文学研究』18・6-17頁/実態・教科書/小1〜6
 小学校国語教科書(小1〜6、5社)の「男子女子作文、男女の会話文に現れた接続詞の分析を通し、国語教科書に反映している言語的性差の一側面を明らかに」することを目的として調査分析を行っている。順接・添加のようなプラスの連関は男に多く、逆接・対比・転換のようなマイナスの連関は女に多いこと、男の方が女よりも書きことばと共通する語を多く用いる傾向があること、男の方が語彙レパートリーが豊富であり、音声的な変化も多様であることなどを指摘している。

永野賢1990『若い教師のための文章論入門』(明治図書)/実践例教材例/小・中・高
 文法論的文章論の文章分析観点(連接論、連鎖論、統括論)を国語教育に生かすことを目的にした文法論的文章論の概説書。各観点による教材の分析例が数多く載せられている。

中田敏夫1991「児童作文資料接続詞にみる男女差」『金沢大学教育学部紀要 人文科学・社会科学編』40・1-11頁/実態・発達・作文/小1〜6
 小1〜6(計712名)の作文を対象とし、「特に表現スタイルと語彙レパートリーの観点から」「接続詞と男女差の問題について」分析している。分析の結果、表現スタイル(順接・添加というプラスの連関は男子に多い、逆接・対比・転換というマイナスの連関は女子に多い)、語彙レパートリー(男子の方が豊富)の両方で、男女差があることを示している。

永野賢・大熊徹編著1991『文章論で国語の授業を変えよう』(明治図書)/実践例教材例/小・中・高
 文法論的文章論の文章分析観点(連接論、連鎖論、統括論)の概説をしたうえで、これらの観点を生かした教材分析及び実践例を数多く載せている。

長田久男1993「並列副詞に着目した自覚的な分析読み」『国語とその授業』2(国語授業学研究会)/実践例教材例/記述なし
 並列副詞(接続詞)に着目して「自覚的な分析読み」を行うための仕組みと方法を述べたもの。「持ち込み内容(並列内容)」と「支配内容(並列対象)」を明らかにする、両者の呼応関係を個別的意義として解釈する、その接続副詞に託している表現者の気持ちを可能ならば解釈するという要領を示し、8種の並列副詞別に具体例を示している。(長田1998に再録)(原文は未見。長田1998に拠る。)

長田久男1993「接続副詞に着目した自覚的な分析読み」『岐阜女子大学紀要』22・136-127頁/実践例教材例/記述なし
 接続副詞(接続詞)に着目して「自覚的な分析読み」を行うための仕組みと方法を述べたもの。「持ち込み内容」と「支配内容」を明らかにする、両者の呼応関係(意義)を確定する、その接続副詞に託している表現者の気持ちを可能ならば解釈するという要領を示し、18種の接続副詞別に具体例を示している。(長田1998に再録)

中村元千1993「教材研究・キーワード探しのたのしみ(T)―逆接の接続語―」『月刊国語教育研究』260(日本国語教育学会)50-53頁/実践例教材例/小
 「「が」や「でも」などの逆接の接続語は、しばしば、その教材における最も重要なキーワードにもなっている」とし、その例として今西祐行「はまひるがおの「小さな海」」、「一つの花」を取り上げ分析を加えている。

大熊徹1994『文章論的作文指導―論理的思考力・認識力の育成』(明治図書)/実践例教材例/小
 「分かりやすい文章を書く指導―「連接論」を応用した作文指導」(270-286頁)で、接続詞の不適切な使い方に気付かせることによって、接続詞の適切な使い方の重要性に注意を向けさせることを目的の一つにした実践例が示されている。

安部逸雄1995「学校文法における"接続"について―古典文法書(準教科書)を中心として」『語学と文学』25(九州女子大学)1-19頁/実践例教材例/中・高
 「接続」(接続詞、接続語、接続助詞、文と文との接続関係など)が、学習指導要領の言語事項、古典文法準教科書、各文法理論、文章論研究などでどのように取り上げられているかを考察したもの。古典文法準教科書では、接続詞に関して、品詞論的な簡潔な説明に終始しており、文章論的な立場からの説明が殆どないという問題点や、接続詞の種類分け・語彙数・例文の問題点を指摘している。

小松敬次郎1995「『言語事項』の学習指導実践への視点―接続詞の性質と機能のとらえ方を中心に―」『年報いわみざわ(初等教育・教師教育研究)』17(北海道教育大学岩見沢校)57-68頁/実態・教科書・実践例教材例/小・中
 「読解指導の中で接続詞の働きに気づくことのできる読みの指導の必要性を認識する」「(接続詞は)創作指導の際には、適切な表現の重要なポイントになる」「文章の働きの認識と接続詞が文意の中にどんな位置を占めるかの、理解場面をとらえたい」「順接・逆接等の論理的認識の中で新しい読解・創作における面白さの発見を助長できる」などと述べ、中学校文法指導における接続詞の扱い方は不十分であること、「花を見つける手がかり」(小4)では接続詞が読みの指導上重要な意味を持つことなどを指摘している。また、小学校教科書(教育出版)(小1・3・5及び全学年合計)の接続詞の種類と使用頻度などを示している。

堀井謙一1996「言葉の教育と言葉の指し示すものの教育」『信大国語教育』6・1-4頁/実践例教材例/小
 接続詞を指導する場合、言葉自体と言葉の指し示すものとを明確に区別する必要があることを論じたもの。「試験管を落としてしまった。でも、割れてしまった。」の「でも」が不適切である理由は、「でも」という言葉自体の問題ではなく、言葉が指し示している二つの出来事の方にあり、この出来事の関係を考えるのは言語教育とは無関係であると述べている。

長田久男1998『文章を読む行為の研究』(渓水社)/実践例教材例/記述なし
 「接続副詞の働きと分析読みの方法」(125-142頁)(長田1993の再録)、「並列副詞の働きと分析読みの方法」(143-154頁)(長田1993の再録)

堀井謙一・松崎史周・河崎直茂・児平美和1999「接続詞の指導における留意点について 言語指導と論理把握指導の違いを区別する」『信州大学教育学部紀要』96・1-12頁/実態・調査・実践例教材例/小2・3
 小2・3(計135名)を対象とし、接続詞使用能力の実態調査を行い、その結果に基づき「多くの2・3年生の児童は、「だから」「でも」「それで」「しかし」という接続詞を使用する能力を、学校の授業で学ぶ以前に、基本的なものは自ずと獲得している」「接続詞の教育で重視すべきは、接続詞の機能を順接や逆接などに分類することによって自覚すること、つまり「接続詞についての国語学的関心をどう育てるか」の部分である」「「接続詞をどう使用しているか」の問題とみえたものが、実は「物事の論理関係をどう捉えているか」の問題であったと思われる場合が多く指摘できる」「接続詞の誤用として安易に児童の表現を訂正する前に(中略)指導者は児童に何を言いたいのか聞く姿勢を取るべき」であることなどを主張している。さらに、「接続詞の機能についての自覚を促し(中略)接続詞に注目して表現者の論理関係を理解すること」を扱った教材案を示している。

大伴潔2000「健常児と言語発達遅滞児における接続表現の発達―連続絵説明課題を通して」『特殊教育研究施設研究年報』2000(東京学芸大学)1-8頁/実態・発達・調査/幼児
 幼児(計19名)を対象とし、連続絵説明課題の調査を行い、使用された接続表現(接続詞、接続助詞など)を分析した研究。健常児に関しては、3歳代で既にほとんどの児で「接続詞・接続助詞を中心とした接続表現ができること」、「4歳代になると、接続表現が一層多様化し、その使用がより頻繁になる傾向」があること、一文内の「て、で」の接続助詞に熟達したあとで「そして」のような接続詞が使われることなどの結果が示されている。

寺川みち子・榊原早織2000「文章表現の発達(1)―接続表現の分布―」『東海学園国語国文』57(東海学園女子短期大学)35-45頁/実態・発達・作文/小6・中3
 52名の同一人物が小6と中3で書いた作文に使用された接続表現(接続詞、接続助詞)の一覧を示し、発達の様子を分析したもの。接続詞に関しては、「中学生で順接型が多くなっていること、逆接型では種類が「でも」「けれども」類から「しかし」に移行する傾向が見られること、添加型では「それから」「次に」から「そして」に移っていること」などを指摘している。

寺川みち子・榊原早織2001「文章表現の発達2―接続表現の分布補遺―」『東海学園国語国文』59(東海学園女子短期大学)31-40頁/実態・発達・作文/小6・中3
 寺川・榊原2000と同一の資料を用い、分析を追加したもの。「接続表現の分布に男女差がある」こと(男子は「しかし、そして」、女子は「でも、けど」が多く、女子の方が話し言葉的である)、「でも、そして、しかし」などはどの文章にもまんべんなく現れていることなどを指摘している。

大伴潔2002「連続絵説明課題における説明表現の縦断的推移―統語的発達と指導アプローチへの一考察―」『特殊教育研究施設研究報告』1(東京学芸大学)5-12頁/実態・発達・調査/幼児
 幼児(8名)を対象とし、約1年間を隔てて同一の連続絵説明課題を2回行い、使用された接続表現(接続詞、接続助詞など)を分析し、語彙発達を縦断的に検討したもの。1発話あたりの平均発話長の伸びが大きい児ほど接続表現も豊かになっていることを指摘している。

清水義範2003「大人のための文章教室 第二講 とはいうものの接続詞」『本』325(講談社)16-23頁/実態・発達・実践例教材例・文章作法/小・一般
 「文章の模倣をするコツ」の一つとして「その作者と同じ接続詞を使う」ということを挙げ「接続詞を真似ると、その人の文章の論理構造を真似ることができる」と述べている。小学生の作文でも、多様な接続詞を使っている作文ほど、うまく書けていることを指摘し、多様な接続詞を用いることによって複雑な論理構造の文章が書けるようになると述べている。ただし「接続詞をどう使えばいい文章になるかの技は、頭の中では大いに意識しつつ、実際にはあまり使わないこと、なのである」と述べ、表面的な使い過ぎはよくないと述べている。(清水義範2004『大人のための文章教室』講談社現代新書所収)

馬場俊臣2003「小学校国語教科書の接続詞―平成14年度M社版の調査結果」『札幌国語研究』8(北海道教育大学)13-22頁/実態・発達・教科書/小1〜6
 小学校国語教科書(光村図書)に使用された接続詞の実態調査の結果を報告したもの。吉田1987の調査結果と比較し、平成14年度版の教科書は、昭和55年度版に比べ、「接続詞の延べ語数・異なり語数ともに、大幅に減少している。ただし、五学年の段階で質量ともにピークをなす点は両年度版ともに同じである」「平成14年度版の接続詞は、昭和55年度版に比べ、全体的に初出箇所が遅くなるとともに、比較的難しい接続詞は用いられなくなっている」「(使用頻度は)「そして」が一位であること、反対・展開(逆接・順接)の接続詞が上位に来る傾向は両年度版ともに同じである」「接続類型別に見ると、累加・展開・反対(添加・順接・逆接)の接続詞が出現頻度が高いという傾向は、両年度版ともに同じである」などの指摘がなされている。

山田敏弘・小林一貴・田口宏・宮川浩司・横山真一2003「文法意識を持たせる授業の試み」『岐阜大学教育学部研究報告 教育実践研究』5・1-18頁/実践例教材例/小2
 「手段として文法を用いた国語教育のあり方を探る試論」として「小学校2年生児童に対する40分の授業の報告」をまとめたもの。テ形の指導に関連して、「そして、そうして、それから、そのあと、つぎに」の接続詞の指導上の留意点を示している。「指示詞「そう」を含む「そうして」は指示対象を持つ点で「そして」とは意味が異なる」「「それから」や「そのあと」は、単純な継起を示す「そして」と比べて動作の順序が強調される」「特に「そのあと」は前後関係の強調が必要な場面(中略)で用いられる」「「つぎに」は並列を表すため、単に継起というよりは一連の出来事を見渡して個々の動作を列挙する場合に使用されたほうが適当である」「テ形と接続詞との重複についても配慮する必要がある」ことなどを指摘している。

喜岡淳治2004「説明的文章の読解における、予告文と逆接の接続詞の活用」『教材学研究』15(日本教材学会)9-12頁/実践例教材例/小・中・高
 説明文の読解に手助けとなることが多い二つの観点(予告文の活用、逆接の接続詞)を生かした授業とその教材例を紹介したもの。逆接の接続詞に関する授業では、「猫の動物学的宇宙誌」(日高敏隆、光村・中3)を教材例として示し、逆接の接続詞は、接続詞以前の内容から予想される内容とは逆の内容を主張しその主張を強調しているため、逆接の接続詞の後の内容を的確にまとめると文章の中心部分・主張を捉えることができることを指摘している。

国語表現ゼミナール2004「小学校教材における接続詞について」『国語と教育』29(大阪教育大学)18-30頁/実態・発達・教科書/小1〜6・高
 小学校教材(小1〜6、文学的な文章・説明的な文章各2作品計24作品対象)の接続詞の実態調査を行い、高校教科書(小説教材)、社説文、法律文、日記文の接続詞と比較し、小学校教材の特徴を明らかにしようとしたもの。小学校教材では文学的な文章・説明的な文章ともに、順接・逆接・添加の三種の接続詞が多く使われており「小学校教材では文章の種類を越えて、文脈を展開する上での基本的な「順接」・「逆接」・「添加」の接続詞から文章の内容を理解する練習を(ママ)意識されている」こと、小学校教材の特に説明的な文章では高学年になると同列の接続詞の使用が多くなることから「高学年の説明的な文章は、前の内容を要約換言する働きを持つ「同列」の接続詞に着目し、文と文、あるいは文章を頭の中で要約する練習に役立っている」こと、小学校教材の説明的な文章は社説文よりも逆接の接続詞の使用が少なく社説文のような意見文ではなく「ものごとを説明する文章となっており、論理を展開する文章の中でも接続詞が明示されているという点で比較的読みやすいものとなっている」ことを結論として示している。

馬場俊臣2004「小学校国語教科書の接続詞調査―平成14年度K社版の調査結果―」『札幌国語研究』9(北海道教育大学)11-19頁/実態・発達・教科書/小1〜6
 小学校国語教科書(教育出版)に使用された接続詞の実態調査の結果を報告したもの。吉田1987、馬場2003の調査結果と比較し、教育出版平成14年度版国語教科書は、光村出版平成14年度版同様に、光村出版昭和55年度版に比べ「接続詞の延べ語数・異なり語数ともに、大幅に減少している」、ただし教育出版平成14年度版では「六学年まで漸増しており、五学年での突出は見られない」、教育出版・光村図書平成14年度版は「ともに、三学年・四学年で、延べ語数はほぼ同じである点では同様の傾向を示している」、教育出版平成14年度版は光村図書昭和55年度版に比べ「特に初出箇所が遅くなるという傾向は見られない。ただし、比較的高度と考えられる接続詞は現れない」、高頻度語はいずれもほぼ共通している、接続類型の傾向も似ていることなどが指摘されている。

原輝智2006「児童の作文における接続詞の実態について」『国語国文研究と教育』43(熊本大学)73-82頁/実態・作文・調査/小5
 接続詞使用に関する児童へのアンケート調査及び児童の作文の分析に基づいて、小学校高学年における接続詞の使用の実態を明らかにし、指導との関係を考察したもの。アンケート調査(小学校5年生28名対象)では接続詞をどの程度使うかに関する意識などを調査している。児童の作文の分析(小学校5年生28名各8作品対象)では、反対型が多く次いで累加型が多く使用されていること、「でも」「だから」「そして」の順で多く使用されていることを示している。これらの結果から「児童は接続詞について理解はしているものの、作文を書くときにはそれを十分活用していない」ことを示し「児童が多様な接続詞の用い方ができないような文章構成や文脈しか考えつかない」ことに原因があるとしている。また、「接続詞を意識させることにより、論理的思考力の高まりとともに「理由」「転換」などの接続詞の使用が増える」ことを示し「その手だてとして教科書教材に使用されている接続詞に着目させることが考えられる」としている。

付記 本稿は、平成16〜18年度日本学術振興会科学研究費基盤研究(C)(1)「国語科における機能的アプローチによる文法教育の再構築に関する実証的開発研究」(代表者:山室和也 課題番号:16530611)による成果の一部を含む。


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